谷本洋-1 伊賀茶碗 見込み [炻器]
谷本洋の伊賀茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。
上から見るこの茶碗の形は、少々乱れのある真円で、口縁はほぼ均一です。ですから何処に口を付けて飲んでも、だいたい同じような感触なのですが、強いて言うなら、この写真の2時位置辺りの表面が滑らかで、一番感触が快適かも知れません。
見込みの底は自然に湾曲しており、茶溜りは特には造形されていません。
また、底には自然釉の溜りがありますが、それは背面側(写真では上の方)から流れて来ています。そして正面の内側には自然釉がかかっていません。外側については正面に一番自然釉がかかっていますから、これらの事を考え合わせると、自然釉の元になる焼成中の灰は、正面側の斜め上の方からかかったのだろうと想像できます。焼成中の窯の中の様子が想像出来る面白い出来栄えですが、恐らくこれは、灰のかかり方がこうなるように、窯の中での置き方を作者がコントロールしたのだろう思います。灰のかかり方まで計算して、窯の中での置く位置を決めるという話は、陶芸作家のドキュメンタリー番組等でも時々出て来ます。
つづく
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