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加藤芳比古-2 瀬戸黒茶碗 高台と掻き銘 [陶器その他]

加藤芳比古02_06

加藤芳比古02_07

 加藤芳比古の瀬戸黒茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上にしています。

 高台は乱れのある真円で、高さは低く、高台内の削りも浅いです。兜巾は2段ケーキのような造形で、主張も強くはありません。

 土見せから見えるザクザクした仕上げの陶土は、多分もぐさ土だと思うのですが、不思議と青っぽいグレーになっています。こういう色の土は初めて見ます。

 掻き銘は「芳」のはずなのですが、釉薬に殆ど隠されてしまって判読出来ません。一部見えている個所が、前に掲載した同氏の別の茶碗の掻き銘の一部と一致するので、間違いはないと思います。

 という事で、加藤芳比古の瀬戸黒茶碗でした。ゴツゴツして荒々しい造形と、ヌメッとした表面の質感が、独特の感触を持つ手に伝える面白い茶碗です。

おわり












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加藤芳比古-2 瀬戸黒茶碗 見込み [陶器その他]

加藤芳比古02_05

 加藤芳比古の瀬戸黒茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。

 上から見るこの茶碗の形は、乱れのある真円で、口縁の厚みにも乱れがあります。口縁の5時位置辺りから8時位置辺りにかけて外側に微妙に傾斜がついており、この辺に口を付けて飲むのが一番快適です。

 見込みの底は、同心円 or 渦巻き状に削られていて、その中心辺りが何となく茶溜りになっています。また、陶土に含まれる砂粒によるものと思われる凸部が幾つもあり、そこの釉薬が剥げていたりして、非常に荒々しい見込みの景色になっています。この辺の荒々しさは外側の箆削りによる荒々しさと良くマッチしていて、統一感があります。

つづく












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加藤芳比古-2 瀬戸黒茶碗 背面と両側面 [陶器その他]

加藤芳比古02_02

加藤芳比古02_03

加藤芳比古02_04

 加藤芳比古の瀬戸黒茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(掻き銘側)、三枚目が右側面です。

 どの面も正面と同じような景色です。艶の強い真っ黒な釉景、ランダムに入った箆削り跡が荒々しいゴツゴツした仕上げ・・・。山中にある巨岩や岩壁を想起させる景色です。私は学生時代に登山部に所属し、各地の山々に登っていたのですが、その中で見た来た景色が、この茶碗の中に再現されているように感じられ、とても心に沁みて来ます。
 写真や絵で自然の情景を写し取るという方法もありますが、この茶碗にある造形も、また別の自然の写し取り方なのだと思います。

つづく












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加藤芳比古-2 瀬戸黒茶碗 正面 [陶器その他]

加藤芳比古02_01

 美濃の作家・加藤芳比古(1946-)の瀬戸黒茶碗です。加藤芳比古の茶碗を取り上げるのは、これで二つ目です。写真では、高台脇の掻き銘を向かって左90°の位置に持って来て、この向きを正面としています。

 器表面の艶が強く、周囲の景色を反射してしまって、結果的に赤みがかった色に写ってしまっていますが、実際の色彩は見事に真っ黒です。シルエットは正方形に近い半筒で、轆轤目は見えず、箆削りによるゴツゴツした不規則な仕上がりが大変力強い景色を作り出しています。山中の岩石を思わせるこうした造形は、私の好物です。(笑)

 ただ、平面が各所にあって、且つ艶が強い黒茶碗を写真に収めようとすると、意外に苦労するというのが、今回の撮影で良く分かりました。昼間の自然光で撮影しようとすると、周囲も非常に明るいので、周囲の情景が露骨に映り込み、黒い茶碗が色彩豊かな茶碗に写ってしまいます。それで、今回は夜の室内で、人工の明かりを控えめに使い、カメラの感度を上げ気味&露光時間長めで撮ってみました。更に、撮影後に写真現像加工ソフトでホワイトバランス等を結構調整しています。それでも、少し赤い色が残ってしまいました。これが今の私の機材と技術の限界です。orz もっと実物に忠実な写真にするには、撮影ボックスとかが必要かも知れません。

 このように撮影や現像に苦労した茶碗ではありますが、実際に手にしてみると、ゴツゴツした造形にヌルッとした艶のある表面が合わさって、独特な感触が楽しめます。

つづく












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河本五郎-1 灰釉茶碗 高台と掻き銘 [陶器その他]

河本五郎01_06

河本五郎01_07

 河本五郎の灰釉茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上にしています。

 乱れのある真円にラフに削り出された高台は、幅は広めですが直径は小さめで、高さも低いです。高台内もラフに削られ、兜巾はありません。高台脇も比較的ラフに削られていて、全体的にザクザクした土の感じが趣深い土見せになっています。

 こうして見ると、側面も含めて全体的に土の趣と灰釉の趣が見事に融合した美しい茶碗だと感じます。

 掻き銘は「五」だと思われます。縦に入った線が最後に書かれているので、通常の「五」とは筆順が違いますが、草書に於ける「五」ではこういった書き方をする場合もあるようです。

 という事で、河本五郎の灰釉茶碗でした。伝統的なカテゴリーや地域性に囚われない現代陶芸らしい優品だと思います。

おわり












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