加藤健-4 引出黒 背面と両側面 [陶器その他]
加藤健の引出黒茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(搔き銘側)、三枚目が右側面です。
縦方向の箆の入り方や気泡の出方に違いはありますが、どの方向から見ても凡そ同じような景色です。釉薬が被さってエッジは立っていませんが、やはり縦に入った箆跡は、この茶碗の味わいの一つの大きなポイントです。これが無ければ、かなりダルダルな緊張感のない仕上がりになっていたと思われます。
口縁は自然に乱れて波打っていますが、特に五山を意識して成形されているようではありません。多分、そういうのが本来の口縁の姿だろうと思いますし、如何にもわざとらしい五山というスタイルは、私は余り好きではありません。やはり、この茶碗のような無意識の内に形作られて乱れた要素のある造形に魅力を感じます。
つづく
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