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佐々木昭楽-2 萌黄釉茶碗 正面 [楽・京]

佐々木昭楽02_01
 三代・佐々木昭楽(1944-)の萌黄釉茶碗です。写真では、高台脇の窯印を向かって左90°の位置に持って来て、この向きを正面としています。

 この「佐々木昭楽」と言う人については、未だに良く理解が出来ていません。窯元は「成雲軒昭楽窯」となっていて、当代は四代目、HPもあります。現当主である四代目・佐々木昭楽は、1964年生まれで、今は「佐々木虚室」とも名乗っており、「帰来窯」の当主でもあります。「帰来窯」というのは、HPで見る限りに於いては、外観写真が「昭楽窯」と同じなので、「佐々木虚室」の窯としての「昭楽窯」の別名であるようです。また、当代「佐々木虚室」の先代「虚室」は、本名を「佐々木輝夫」と言い、当代「虚室」の父で、1935年の生まれなのだそうです。・・・あれ? 先代「佐々木虚室」って、当代「佐々木虚室」=「四代・佐々木昭楽」の先代「三代・佐々木昭楽」(1944-)とは別人なんだ・・・。因みに、「三代・昭楽」も先代「虚室」も、師匠は「二代・松楽」であるようです。

 これは推測なのですが、「二代・松楽」の長男が「三代・昭楽」で、「松楽窯」=「昭楽窯」を継承。一方、先代「虚室」は、「三代・昭楽」の弟で、当初は実名「佐々木輝夫」の名で「昭楽窯」に於いて作陶していたが、「虚室」「帰来窯」という名を拝命(1996年)したので、新たな窯は築かずに、「虚室」の名で作陶する場合のみ、「昭楽窯」を「帰来窯」と呼ぶようにしたと。更に、「三代・昭楽」には引き継ぐ実子がいなかったので、弟「虚室」の実子である当代「虚室」(2011年襲名)に「四代・昭楽」として「昭楽窯」当主を引き継いだのではないでしょうか。
 ・・・う~む、やっぱり何だか分かり難いです。どの作品が誰によって何処の窯で焼かれた物なのかという事は、茶碗ファンとしては結構重要だったりしますから、この辺の事は窯元の方で整理して情報を公開してくれれば良いのですが・・・。

 随分と前置きが長くなってしまいました。今回は三代・佐々木昭楽の萌黄釉茶碗です。楽焼の一つですが、春に木々の葉が芽吹いて来た時のような黄色&緑の釉薬が美しい茶碗です。こういう色調の楽焼茶碗は、数多くは作られていません。

 縦方向に箆が入ったダルなシルエットの半筒の造形に、黄色の釉薬がかけられ、ボヤッとした緑色の発色が所々に入っています。「萌黄釉」という呼び名が本当に相応しいと思える色合いです。細かく入った貫入も、茶碗外観の景色を味わい深いものにしています。

つづく












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