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林亮次-1 志野 正面 [志野]

林亮次01_07
 このブログのトップページや私のプロフィール画像で使っているこの茶碗が、作家物の茶碗として私が初めて購入した物です。岐阜県土岐市にある荘山窯の三代目=林亮次(1940-)の志野茶碗です。ネットオークションで中古を買いました。

 リサイクルショップで数百円で買える茶碗に飽き足らなくなった私は、茶碗に対する更なる満足感を求めて、地元デパートの茶道具コーナーとか、楽天市場とかを物色するようになりました。ところが、これはと思う茶碗は価格がビックリするほど高くて、とても手が出ません。それで、ネットオークションで中古を狙うようになりました。茶碗というのは、大切に扱えば一生モノどころか子々孫々何百年も使い続けられる品物です。それを考えれば、買った途端に消え失せる「新品」という処女性に拘る必要は何処にもないなと思ったのです。骨董的価値が付く前の近現代の作品なら、安い「中古品」という扱いになるので、私でも何とか手が届きそうです。

 オークションサイトを徘徊していると、写真からでも大変に魅力的に見える茶碗が幾つも見つかります。それで、ある程度のお金を準備して、良さそうな茶碗に何度か入札してみたのですが、最初の内は競り負けてばかりで、なかなか落札できません。この茶碗を落札した時も、直前に他の茶碗で競り負けたばかりで、半ば意気消沈した状態で入札したのでした。

 オークションというのは面白いもので、相場の価格に関わらず、欲しいと思う人が偶々その時に他にいなければ安く落札され、逆にお金を持っている欲しい人が二人もいれば、価格はいくらでも跳ね上がります。この茶碗を落札した時は、その前者だったようで、想像していた落札価格よりも少し安い価格で落とす事が出来ました。ラッキーでした。

 こうして初めて買った土産物でない作家物の茶碗が手元に届いた訳ですが、梱包を解いて実物を最初に手に持った時には大変ビックリしました。・・・凄い! 作家と呼ばれる人が本気で真面目に作った茶碗、しかも中古でも万単位の価格になるような茶碗というのは、これほど迫力があって、これほど心に響く物なのかっ! この質感、この生々しさ、このダイナミックさ! 今でも忘れられない感動があったのです。一気に惚れてしまいました。そして、もっと欲しくなりました。

 ・・・こうして私の茶碗収集癖が目覚めたのでありました。(笑)

つづく

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