岡田裕-1 萩茶碗 見込み [萩]
岡田裕の萩茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。
上から見た形は乱れの少ない真円で、口縁は薄く均一になっています。この辺は非常に萩焼らしい姿だと思います。茶溜りは浅いですが、明確に整形されていて、この写真でもはっきりと見て取れます。
そして、この茶碗の見込みの景色で最も味わい深いのは、やはり細かく入った貫入ではないかと思います。老人の顔に深く刻まれた皺のようです。貫入はこの茶碗の外側にも多く入っているのですが、見込みの底にあるものの方が色が濃く、眺めて好ましいものなっています。
ただ、この色の濃さについては、焼かれた当初からなのか、それとも使い込まれた結果として茶渋が入り込んだためなのかは良く分かりません。貫入に茶渋が入って色が濃くなっていくというのは、「萩の七化け」と言われ有名ですが、物によっては新品未使用の段階から陶土の鉄分の影響で貫入にはっきりと色がついている場合もあり、中古でこの茶碗を購入した私としては、この茶碗がそのどちらなのかは知りようがありません。
つづく
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