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兼田佳炎-1 萩茶碗 正面 [萩]

兼田佳炎01_01
 「一楽二萩三唐津」という事で、楽焼の次は萩焼です。兼田佳炎(1949-)の萩茶碗で、これが私としては初めて買った萩焼の抹茶茶碗です。

 釉薬の縮れ具合が丁度良い感じなので、写真の位置を正面としました。これで正面を6時位置とすれば、窯印は1時くらいの位置に来ます。

 この茶碗の釉薬の縮れ具合が、私はとても気に入っています。どれくらい縮れさせるかは、ある程度は作者のコントロール下にあるとは思うのですが、実際にどこにどれほど縮れが現れるかは自然な偶然の産物だと思うのです。人の計画性と自然の偶然性が混在するこうした景色に、私はいつも魅了されます。

 また、萩焼にはもっと釉薬を縮れさせた物も多いですが、個人的な好みではこの茶碗くらいが限界かなと思っています。これ以上に縮れさせて、全面が梅花皮状態になると、かなりエネルギッシュな見た目になって、萩焼らしい枯れた雰囲気は失われてしまうような気がします。また、見込みに縮れや気泡が多くなると、使った後にその穴に抹茶粉が詰まって、とても洗い難くなるという実用上の理由もあります。

 この茶碗の形は比較的整っていて、乱れは少ないです。ほぼ半筒のフォルムに、口辺下からちょっと端反りになってアクセントを付けています。釉薬は薄くもなく厚くもなく、砂粒混じりの土と轆轤目を適度に見せています。また、釉薬の流れも微妙にしか現れていません。
 ですから全体的に行き過ぎた所がなく控え目で、じっくり長く使って飽きない茶碗に仕上がっていると思います。・・・イイ感じです。

つづく








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