番浦史郎-1 粉引茶碗 高台と掻き銘 [楽・京]
番浦史郎の粉引茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上にしています。
高台はほぼ真円ですが、ここにも殆ど小石と呼べるくらい大きな石英の砂粒があって、少し爆ぜています。また、高台の削り出し方も少々荒々しくなっていて、それも力強い高台の景色を演出しています。
高台脇や高台内にも土見せはなく、全体的に釉薬がかかっています。また兜巾は控えめです。こうした作りだと、普通は柔らかい景色になりがちだと思うのですが、この茶碗では荒々しい雰囲気を醸し出せていて見事だと思います。
掻き銘は「史」です。もしかしたら掻き銘ではなく窯印なのかも知れませんが、腰の湾曲した部分に入っているので、平面部分に押される事が多い窯印ではなく、手で書き入れる掻き銘だと判断しました。実際どうなのかは良く分かりません。
という事で、番浦史郎の粉引茶碗でした。薄手の繊細な作りの中に石爆ぜや亀裂などの力強い要素が加わり、独特の個性のある美しい茶碗です。
おわり
2023-03-19 12:00
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