林亮次-6 絵志野茶碗 背面と両側面 [志野]
林亮次の絵志野茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面、三枚目が右側面(搔き銘側)です。
背面では長石釉が微妙に厚くなっていて、少し白色が勝った景色になっています。けれども、そこへ釉薬の垂れた跡とか施釉時の指跡が残り、白色だけの単調さになっていない美しさがあります。対して左右側面では、適度に緋色が入っていて、志野らしい景色になっています。
形としては、どの方向から見ても凡そ正面と同じなのですが、何箇所か縦に箆を入れた跡があって、可愛く丸いだけではないアグレッシブな味付けが為されています。その匙加減が絶妙で、可愛い中にもエッジの立ったシャープさもあるという、まるで魅力的な女優さんを見ているような感覚を起こさせる景色だと思います。
つづく
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