安藤日出武-2 志野 背面と両側面 [志野]
安藤日出武の志野茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側(掻き銘側)、三枚目が右側面です。
背面の腰の辺りには、鬼板による赤黒い発色が力強く出ています。左側面では、薄い長石釉を通して滲み出てきた緋色がオレンジ色の美しい発色を見せています。逆に右側面では、分厚い長石釉がボッテリとした姿を見せています。このように各面それぞれ違った志野らしい動きのある景色になっていて、何処から見ても楽しめる茶碗です。
また、長石釉による白色と酸化鉄による緋色の割合が、私には丁度良く心地良いバランスになっているように思います。これぐらいがオーソドックスな志野焼の基準点だと思います。ここを志野焼の基準として、赤が強く出る赤志野とか、灰色の発色が出る鼠志野といった色彩のバリエーションが広がっていくという風に私は志野焼を捉えています。
つづく
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