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山本雄一-2 緋襷茶碗 見込み [炻器]

山本雄一02_05
 山本雄一の緋襷茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。

 見込みの中では、緋襷は大きく一箇所に入れられているだけです。ただしその場所は、茶碗正面を自分に向けて茶碗を傾けていった際に、真っ直ぐ目に入ってくる背面側の内側です。見込みを見ようとした時に最初に見える場所に緋襷を入れている訳です。緋襷を見せるために完全に計画的に仕組まれた景色です。
 こういう計画性は、作者の緻密な配慮として賞賛されるのが一般的ですが、人為的或いは不自然な作為として疎まれる場合もあるでしょう。計画的な作為が見えるのを好むか嫌うかは、その器を使う人の嗜好次第です。
 ・・・この辺、私は人の計画性と自然の偶然性が混ざり合う景色が好きなので、ある意味ニュートラルではあるのですが、この茶碗に関して言えば、少し作為が見え過ぎているように感じています。

 この茶碗を上から見たフォルムは完全な真円で、乱れはありません。口縁部も均一です。
 底の茶溜は、有るのか無いのか良く分からない程度にしか成形されておらず、また、見込み全体に側面と同じような細かい筋目模様が見られます。
 緋襷が入っている部分以外の場所は、やはり側面と同じく素焼きのような色合いで、これで良くお茶が浸み込んで行かないものだなと、不思議な感覚になります。

 う~ん、やっぱりちょっと整い過ぎてて実用色が強く、退屈な景色かなぁ。備前焼って、全般的にこういう感じではあるけれども・・・。

つづく












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