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新庄寒山ー3 萩焼茶碗 正面 [萩]

新庄寒山03_01
 山口県長門市深川湯本三之瀬にある新庄助右衛門窯の十三代目・新庄寒山(?-1968?)の萩焼茶碗です。新庄寒山の茶碗を紹介するのは、これで三つ目です。写真では、釉薬(化粧土?)の流れが最もはっきり出ている箇所を正面としています。ここを正面とすると、高台脇の窯印は正面向かって右90°の辺りに来ます。

 萩焼には幾つかの色調のパターンがあって、最も数の多い一般的な薄茶色、或いは薄橙色の他に、如何にも「土!」という感じの濃い茶色、人間国宝の三輪休雪が得意とする明るい白色、それと寒色系・青灰色のものがあります。寒色系の色調の萩焼は、多数派ではないのですが、多くの窯元でバリエーションの一つとして大概は作られていて、今回の茶碗もその一つです。

 とは言え、乳白色の釉薬の流れが大きく出ている箇所を正面としているので、この正面写真では青灰色の部分があまり見えておらず、そういう意味では少し物足りなさがある正面ではあります。ただ、釉薬の柔らかい縦の流れと、轆轤目の横の線、それと一部見えている青灰色の組み合わせやコントラストが、以前にご紹介した二つの新庄寒山作品とは大きく異なる力強い動きのある景色を作り出しています。

 茶碗のフォルムとしては、割りと普通の碗形で、乱れも少なく、全体的に少し硬いラインで構成されています。この硬いラインも、茶碗の力強いイメージを構成する一つの要素になっています。

つづく












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