坂倉新兵衛-3 萩茶碗 見込み [萩]
十二代・坂倉新兵衛の二つ目の萩茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。
上から見るこの茶碗は、乱れのある真円で、口縁は薄く均一です。茶溜りは自然に整形され、境界は曖昧です。非常に細かい貫入が底の方に見えますが、実際は底だけでなく外側も含めて全体に細かい貫入は入っています。ただ、これは中古の茶碗ですから、使い込まれる事によって、見込みの底の貫入にだけ茶渋が浸み込み、目立つようになったのでしょう。また、外側と同じように、陶土に含まれる砂粒とか、釉薬の細かい縮れなどが所々に見られ、それらが細かい貫入と相まって、繊細で味わい深い景色を作り出しています。
つづく
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