SSブログ

瀬津純司-1 彩墨流茶碗 背面と両側面 [楽・京]

瀬津純司01_02

瀬津純司01_03

瀬津純司01_04

 瀬津純司の彩墨流茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面、三枚目が右側面です。

 背面には正面と同様に白色の模様が入っています。他方、左右の側面には白色の模様が殆ど入っていません。ですから、その白色の模様部分を一つの「絵」と考えると、正面にメインの「絵」が入り、背面にサブの「絵」が入るという、茶碗の絵の配置としては極めてオーソドックスなパターンになっている事が分かります。

 色としては、白と黒、そして二つのグレーがありますが、この二つのグレーの内の一つは陶土その物の色なので、実際は白・黒・グレー・無着色の四色という事になります。瀬津純司の他の作品に於いては、白がベースになる彩色の作品では白っぽい陶土が使われていたりするので、彩色に合わせて陶土の色まで選んでいる事が分かります。

 また形状の面から良く観察すると、陶土の板を張り合わせた跡が浅い溝として残されているのが見て取れます。その張り合わせ方は不規則で、垂直・水平とか等間隔といった人工的な匂いが薄く、まるで何か人智を超えた自然な作用で偶然そうなったかのようです。こういう不規則な張り合わせ方をしつつ、最終的には半筒の形に仕上げられるというのは、かなりの技だと思います。

 器側面の肌には透明釉はかかっていないようで、サラサラした陶土の質感が殆ど剝き出しになっています。こういう作りだと心配になるのが、使っている内に彩色が剥げて来るのではないかという事ですが、抹茶茶碗というのは一般食器と違って基本的に使用頻度が高くありませんから、実際はそこまで心配する必要はないかも知れません。同氏の彩墨流作品の一般食器では、彩色された部分に上から透明釉がかかっているようなので、この茶碗のマットな仕上げは故意に選択されたものなのでしょう。サラサラしたマットな表面は、手にすると大変に心地良いですから、これはこれで良いと思います。

つづく












nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 14

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。