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瀬津純司-1 彩墨流茶碗 正面 [楽・京]

瀬津純司01_01

 新年、あけましておめでとうございます。本年も引き続き、手持ちの抹茶茶碗等の紹介をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、新年最初の茶碗は、京都の陶芸家・瀬津純司(1975-)の彩墨流茶碗(いろすみながしちゃわん)です。写真では、私が気に入っている面を正面としています。多くの茶碗で正面を決める際の目安になる掻き銘は、この茶碗では高台内にあるので、それを基準に正面を決める事は出来ませんでした。

 何年か前に瀬津純司の彩墨流作品を初めて見た時には衝撃を受けました。如何にも現代陶芸らしい大胆な造形&彩色なのですが、現代陶芸で良く感じる「やり過ぎ」感がそれ程ないのに、斬新な方法で上手く規則性と不規則性を混在させています。

 この茶碗の形は、板状の土を使って形を作る「タタラ作り」で、不規則な多角形をした半筒形になっています。彩色は、白・黒・グレーによる不規則な墨流絵になっているのですが、水平な水面上で描かれる墨流絵をどうやって茶碗という立体に写し取ったのかは分かりません。とにかく、造形に於いても彩色に於いても不規則なパターンが取り込まれ、組み合わされています。

 考えてみれば、タタラ作りにしても墨流の彩色にしても、それぞれの技法自体は新しい技法という訳ではなく、昔から存在しました。新しいとすれば、それらを組み合わせて一つの陶器に仕立てたという事と、本来は平面である墨流の彩色を立体の陶器に写し取っているという事ぐらいでしょうか。それでも、今まで感じた事のない独特の雰囲気を、この茶碗は持っています。こういう感じの規則性と不規則性の混ぜ方は、本当に初めて見ました。

つづく












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