坂高麗左衛門-3 萩焼茶碗 背面と両側面 [萩]
十一世・坂高麗左衛門の三つ目の萩焼茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(窯印側)、三枚目が右側面です。
どの方向から見ても凡そ同じような景色ではありますが、それぞれにちょっとした特徴があります。背面では化粧土の流れが最も顕著に現れていて、釉景としては最もアクティブです。左側面では、溝模様の始点と最後の方が見えており、溝が輪っかではなく螺旋状になっている事が分かります。逆の右側面は、正面と同じように比較的静かな景色です。全体としては統一感がありながらも、細部に着目すると各面ともに飽きさせない景色になっていると思います。
そして、何処となく感じる上品さと言うか、優しさと言うか、そういう雰囲気のある茶碗というのは、実はそんなに多くはありません。枯れた景色の中に、そういうニュアンスを感じられる茶碗には愛着が湧いてきます。
つづく
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