小川欣二-4 草文茶碗 正面 [楽・京]
小川欣二(1926-)の「草文」茶碗です。絵は片側だけなので、そこを正面としています。この向きで窯印は背面側に来ます。
この茶碗も同じ手の個体が頻繁にネットオークションに出品されますので、やはり多くの数が同時に作られているようです。ネットオークションに出てくる小川欣二の作品は、こういうのが多いです。
表面の仕上がり具合は、前にご紹介した同作者の「伊羅保茶碗」に良く似ているのですが、こちらの方が少し荒々しく、表面の櫛目 or 刷毛目の凹凸も強く出ています。この荒々しさが、ザラザラ・ザクザクした感触を持つ手に伝え、手汗をかきやすい私には快適に感じられます。やはり私はツルツルした表面より、ザラザラした表面仕上げの方が好きです。
正面の鉄絵はススキでしょうか。私自身は茶碗に描かれる「絵」は余り好きではないので、これぐらい簡素なのが良いです。また、釉薬の黄色と陶土の鉄分による焦げ茶色がムラムラとランダムに混ざり合う景色は、とても味わい深いと思います。
つづく
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