SSブログ

中野陶痴-5 青唐津 見込み [唐津]

中野陶痴05_05
 四代・中野陶痴の青唐津茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。

 茶碗の外側とほぼ同じ景色の見込みです。形としては真円で乱れは少なく、茶溜はそれと分かる程度には成形されています。

 外側と同じような見た目ではありますが、良く見ると、見込みの底に行くほど艶が出ているのが分かります。多分、使い込む程に茶筅が当たって磨かれて、このように艶が出て来たものと思われます。また、写真では分かりませんが、口縁付近も触れられる事が多い為か、少し艶が出ています。ですから、その他の部分も使えば使う程に艶が出て、どんどん美しくなって行くのではないかと期待できます。問題は、どれくらい使い込めばそうなるのかという事です。

 例えば、毎日のように手で擦って数年経てば艶が出るというレベルだとすると、私の使用頻度のレベルでは一生かかっても到達出来ません。私の後の世代に託さないと無理でしょう。でも、これくらいの現代作品で、しかも窯印や搔き銘さえないような茶碗だと、何世代も大事に受け継がれて行くようなイメージが湧きません。きっと艶々になる前の何処かのタイミングで廃棄されてしまうのでしょう。甚だ残念ではありますが、これまでに多くの作品がそうした運命に終わったのでしょうし、この茶碗だけが幸運にも何世代も受け継がれるという都合の良い事にはならないのが常です。
 まあ、この辺は諦めて、気楽に使い続けるのが良さそうです。

つづく












nice!(15)  コメント(0) 

nice! 15

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。