新庄寒山ー5 萩焼茶碗 背面と両側面 [萩]
十三代・新庄寒山の五つ目の萩焼茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(窯印側)、三枚目が右側面です。
全体に青灰色が良く出た発色です。特に背面から右側面にかけてで良く出ていて、そこでは見込み側でも青灰色が強く出ていますから、焼成時にその辺りの酸素が特に少なかったのでしょう。このように焼成時の状況が想像出来る焼き上がり方をする萩焼というのは、とても興味深い焼物だと思います。
各方向から見るシルエットは、乱れが少なく、正面とほぼ同じ形です。これだけ整った形をしていると、ともすると少し退屈な見た目になりがちなのですが、寒色と暖色がムラムラとランダムに混ざった発色と、陶土に混ざった砂粒によるブツブツ感、薄っすらと残った轆轤目、それと釉薬の溜りによる白い模様等によって、全く退屈にならずに眺めていられます。むしろ形が整っているだけに、発色による荒々しさが適度に抑えられ、絶妙なバランスに収まった景色です。
つづく
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