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林亮次-7 赤志野茶碗 正面 [志野]

林亮次07_01

 土岐の陶工・林亮次(1940-)の赤志野茶碗です。林亮次の作品を取り上げるのは、これで七つ目になります。写真では、高台脇の掻き銘を向かって左90°の位置に持って来て、この向きを正面としています。

 私にとっては不思議と心に刺さる作品が多い林亮次の赤志野茶碗です。全体に薄くかかった長石釉には立体感はなく、赤い緋色が全面に出て、白く残っている部分がむしろ少なくなっています。また、高温で長時間焼いたからだと思うのですが、所々に長石の砂粒が溶けて噴き出て来たニキビのような跡があります。このニキビは「林亮次-1」で紹介した志野茶碗にもあり、また他の作家の志野では見た事がないものなので、林亮次の志野の一つの作風と言えるかも知れません。

 シルエットはずんぐりとしたダルな半筒で、大胆でシャープなイメージになる場合が多い赤志野の釉景と組み合わさって、独特な雰囲気に仕上がっています。緊張感のない形なのに、発色には力強い鮮烈さがあるという、赤志野では余り見られない景色だと思います。

つづく












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