高橋楽斎-1 信楽茶碗 高台と掻き銘 [炻器]
四代・高橋楽斎の信楽茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上にしています。
高台は真円ですが、やや多めに乱れがあります。高台内の彫りも変な形をしていますが、兜巾はちゃんと作られています。
この茶碗をこうして下から見ても、砂粒混じりのザクザクした土の質感とか、亀裂や穴といったものが、非常に荒々しい景色を作り出しています。また、触った感触も非常に硬質なので、全体として力強さに溢れた使用感となります。ただ、こうした力強さというのは、茶道で良く言われる「侘びた」世界とは少々趣を異にするものかも知れないので、使う人の好き嫌いが分かれそうではあります。
掻き銘は「ら」です。楽斎の作品では、この「ら」の他に、角印の「楽斎」と丸印の「楽斎」とかあったりします。実は、どれが三代・楽斎で、どれが四代・楽斎なのか、はたまた五代(当代)の楽斎がどうしてるのか、或いは個人作と工房作品でどう区別しているのか、そういった部分が私は良く分かっていません。今回の茶碗に関しては、共箱に書かれた「楽斎」の書体と押された印の形、それと売り手の説明によって四代・楽斎と判断していますが、どこかに間違いがある可能性があります。代を重ねた窯元の作品では、それがいったい何代目の作品なのかを調べるのも面白かったりするのですが、時々良く分からない事もあります。(^^ゞ
という事で、四代・高橋楽斎の信楽茶碗でした。炻器らしい硬くて荒々しい味わいが美しい茶碗です。
おわり
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