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浜田純理-1 黒渋茶碗 正面 [陶器その他]

浜田純理01_01
 岐阜県土岐市の酎磨窯で作陶している浜田純理(1947-)の黒渋茶碗です。写真では、向かって左90°の位置に掻き銘を持ってきて、この向きを正面としています。

 「黒渋」というのは、共箱にそのように書かれているのですが、特にそういうジャンルがあるという訳ではなく、作者自身がそのように呼んでいるだけなのでしょう。でも、この茶碗の釉調を良く表していると思います。浜田純理は黄瀬戸も良く作っていますが、その黄瀬戸でも鉄分の茶色がムラムラと表に滲み出てきた焦げ焦げの渋い色調の作品が多いです。この茶碗でも、黒とグレーと焦げ茶色がランダムに混ざり、そこに釉薬の縮れが細かく入ったりして、随分と渋~い仕上がりになっています。

 この茶碗の造形は基本的に少し腰の張った半筒で、口縁がちょっとだけ端反りになっているという、美濃系の茶碗で良く見られるフォルムです。ただし、胴の部分では大胆且つシャープに箆削りや彫りが入れられ、まるで山中のゴツゴツした岩壁を思わせる仕上がりになっています。横に走った細い彫りの線なんて、まるで地層の境界線のようです。若い頃に登山を楽しんでいた私にとって、このゴツゴツした質感は当時畏敬の念を持って見上げた岩肌を思い起こさせ、大変魅力的です。

 さて、浜田純理の作品は、楽天市場を含めて幾つかのネットショップで購入する事が出来ます。しかも、実用を強く意識しているのか、新品でも意外にリーズナブルな価格で購入できます。今回の茶碗は中古として偶々ネットオークションで購入したのですが、中古になると「本当にこんな価格でいいの?」と聞きたくなるような値段で落札出来ます。器の魅力の高さの割りに、大変買いやすい良品です。

つづく












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ネオ・アッキー

明けましておめでとうございます
今年こそは、笑顔の一年でありますように
本年もどうぞよろしくお願い致します。
by ネオ・アッキー (2021-01-03 22:16) 

笹九百家

ネオ・アッキーさんへ
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。m(__)m
by 笹九百家 (2021-01-10 12:10) 

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