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山本雄一-1 備前茶碗 背面と両側面 [炻器]

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 山本雄一の備前茶碗を各方向から写しました。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側(掻き銘側)、下の写真が右側です。

 茶碗の左側面が良く焦げていて、右側面がそれ程でもない焦げ具合になっています。「焦げ」と言っても、所謂「焦げ」≒炭化したのではなく、陶土に含まれる鉄分が窯の中の炎によって酸化して赤黒くなる訳です。その炎の状態は窯の中で均一ではないので、器の表面の酸化の仕方も不規則に異なってきます。その偶然の変化が、器の景色になります。
 この茶碗は、フォルムとしては乱れが少なく、また自然釉もかかっていないため、その部分での面白味に欠けます。ですから最大の見所は、場所によって異なる焼け具合という事になろうかと思います。典型的な備前焼らしい景色だと思います。

 備前焼というのは炻器・焼き締めですから、釉薬無しでも水が浸透しないほど硬く焼き上げられています。磁器と同じです。このため、器としての熱の伝導性が良くなり、保温性が下がります。茶の湯の世界では良く「一楽二萩三唐津」と言いますが、この格付け順番は器の焼き締りの甘い順になっています。多分、長い茶道の歴史の中で、茶人たちが経験的に保温性の高い器を評価してきた結果なのだと思います。ですから、硬く焼き締められて保温性が高くない備前焼は、その渋い姿と長い歴史があるにも関わらず、この格付け上位三つに入って来ないのでしょう。

つづく












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