西岡小十ー2 無地唐津 見込み [唐津]
西岡小十の無地唐津の見込みです。写真では茶碗正面を下に持って来ています。
見込みの表面も外側と同じような仕上がりです。ただし、一部に地の茶色い土が見える部分があって、それが景色に動きを付けています。地の土が見える部分は、釉薬が掛かっていないように見えるのですが、そこから水が浸み込むような気配はありません。ですから、この茶碗はかなり強く焼き締められているようです。萩焼や楽焼とかと違う唐津焼の特性です。
形はほぼ完全な円形で、全体に薄手、そして飲み口は特には設けられていません。底は自然と湾曲していて、茶溜も意識的には作り込まれていないように見えます。茶道で使う茶碗の数々の決り事が確立される前の素朴な造形です。こういう素朴さが、この茶碗の味わいだと思います。
つづく
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